【中小企業診断士】”二次試験”を独学で一発合格するための勉強法の完全攻略ガイド

中小企業診断士の二次試験に独学で挑み、一発合格を喜ぶライオンのキャラクターが机で勉強しているイラスト。努力と達成を象徴した明るいイメージ。 中小企業診断士:独学・一発合格
中小企業診断士二次試験に独学で挑み、一発合格を喜ぶライオンのキャラクターを描いたアイキャッチ画像。勉強の達成感と前向きさを表現。

中小企業診断士試験に独学で一発合格したいと考えている方は多いでしょう。私もその一人で、仕事をしながら限られた時間と費用の中で効率よく合格を目指しました。
私は一次試験の終了後、二次試験の勉強期間は8月から10月の約2カ月半で、一般的に300時間程度のところ、約200時間程度でした。
独学なので情報も無く、特に何から勉強をして良いのか分からず、不安な方も多かったです。また、勉強をしていても正解が無く、悩むことも多いかと思います。
この記事では、二次試験に独学で一発合格した勉強スケジュールやテキストを記述しますので少しでも皆さんのご参考になればと思います!

勉強を始める前に、二次試験の解答のコツ(プロセス)はこちらから!

1.二次試験の特徴

1-1.試験の概要と合格率

二次試験は、事例Ⅰ~Ⅳがあり、それぞれ80分、与件文(企業概要)が2~3ページにわたり、事例Ⅳを除き、それぞれ5問程度の記述式(設問ごとに100~200字程度)です。

各科目40点以上かつ平均60点以上で合格です。合格率は次の通り、絶対評価でなく、相対評価で18~19%前後です。想定される評価基準は「特定のキーワードが含まれているか」「論理的に書かれているか」の2点です。

合格者数は、毎年20%弱程度ですが、難関な一次試験を突破した猛者のうちと考えると難しさが伝わると思います。

年度受験者数合格者数合格率
2024年8,119人1,516人18.7%
2023年8,241人1,555人18.9%
2022年8,712人1,625人18.7%
2021年8,757人1,600人18.3%
2020年6,388人1,174人18.4%

事例Ⅰ~Ⅳの特徴はそれぞれ次の通りです。特に、事例Ⅳは、型が決まっているため、勉強時間に比例して高得点が望めます。苦手な方もいらっしゃるかとは思いますが、ぜひチャレンジしてください。

1-2.自身の得点と事例ごとの特徴

私の試験結果は次の通りでした。自身のあった事例Ⅲが思った以上に伸びず、半分程度しか書けなかった、事例Ⅳに救われました。

中小企業診断士一次試験の7科目と主な内容例、独学で一発合格した私の得点一覧表
独学で一発合格を目指す人向けの、私自身の二次試験の各科目得点表です。(私は運の要素が強いですが、、)

事例Ⅰから事例Ⅳはそれぞれ次の特徴があります。勉強を始められた際、事例ごとに得意・不得意が分かれると思います。

二次試験の事例ⅠからⅣの過去事例の分析と傾向はこちらから!

事例Ⅰ(組織・人事)

  • 出題の目的
    →企業の経営資源を活かし、人材の採用・育成・配置・組織活性化を考察することが目的。
  • 与件文の内容
    →企業規模、経営者の方針、従業員の特徴、組織構造などが詳しく示され、後継者問題・組織の硬直化・人材流出・モチベーション低下といった課題が提示される。
  • 求められる解答の方向性
    →経営理念や環境変化を踏まえ、組織デザインと人事施策を組み合わせてた提案が求められる。
  • 具体的な施策例と評価ポイント
    人事制度の見直し・評価と処遇の適正化・権限委譲による組織活性化など、実務的かつ論理的な施策を提案し、理論と実践のバランスを取ることが重要。

事例Ⅱ(マーケティング・流通)

  • 出題の目的と題材
    →「中小企業のマーケティング戦略・流通戦略」を扱い、顧客ニーズの把握・競合との差別化・販路拡大を中心に考察する。小売業・サービス業など、顧客との関係が密接な企業が題材となる。
  • 与件文の内容
    商品の特徴、販売チャネル、顧客層、地域環境などの情報が提示され、現状分析や課題発見の手掛かりとなる。
  • 主な課題テーマ
    新規顧客の開拓、既存顧客のリピート促進、ブランド力向上、デジタル活用など、実践的なマーケティング課題が出題される。
  • 求められる解答の方向性
    →ターゲット顧客を明確に設定し、4P(製品・価格・流通・プロモーション)を活用し効果的・実現可能な提案を行う。加えて、SNS・ECなどデジタル戦略を組み合わせる提案力が求められる。

事例Ⅲ(生産・技術)

  • 出題の目的と題材
    →「製造業の生産管理・技術戦略」を扱い、中小製造業の生産現場での課題解決力が問われる。与件企業の実態を踏まえ、改善提案を具体的に行う力が重視される。
  • 与件文の内容
    品質不良、納期遅延、在庫の過剰・欠品、工程管理の不十分、人材不足など、生産現場での典型的課題が描かれる。
  • 求められる解答の方向性
    →与件文の事実を整理し、生産性向上・品質改善・工程の合理化を目指した実効性のある提案を行うことが求められる。
  • 主な改善策の例
    5S活動の徹底、IE手法による作業改善、IT活用の工程管理、標準化・多能工化推進、製品開発力・技術力強化、外部連携による新技術導入など、現実的で実行可能な施策の提示が重要。

事例Ⅳ(財務・会計):

  • 出題の目的と特徴
    →「中小企業の財務・会計」に関する事例で、数値計算を通じて経営課題を把握・改善策を提案する力が問われる。
  • 主な出題分野
    財務諸表分析、CVP(損益分岐点)分析、投資意思決定、キャッシュフロー計算書、企業価値評価、ファイナンス理論などが中心。
  • 求められる解答の方向性
    →単なる計算結果ではなく、収益性・効率性・安全性の観点から企業の強みと弱みを分析し、改善策を提示することが求められる。
  • 学習上のポイント
    正確な計算力と論理的な記述力の両立が合格の鍵。過去には会計基準・資本コストを踏まえた応用問題も出題され、得点差がつきやすい。

2.テキストと勉強スケジュール(計画)

2-1.使用したテキスト

様々な媒体から情報収集を行い、短期間で合格するために使用したテキストは2種類です。
8月からの3か月で3周しました。
事例Ⅰ~Ⅲは一次試験の細かい知識は必要ありません。事例Ⅳで少し必要な程度です。

  • 『ふぞろいな合格答案』シリーズ 過去5年分
    →様々な解答案の採点が予測されており、独学でも加点要素が分かりやすい。また、5年分解くことで傾向を把握できる。
  • (事例Ⅳ)中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方 第2版 [事例Ⅳの解答プロセスが身につく!](TAC出版) 
    →事例Ⅳは特殊。過去に出題された問題に必要な知識が体系立てて整理されているため、この1冊で対策は完璧

2-2.勉強スケジュール(計画)

一次試験と並行して二次試験対策をする方もいらっしゃいますが、私は、一次試験終了後の8月より勉強を開始しました。

中小企業診断士二次試験のスケジュール

私は、1次試験終了後、自己採点上はぎりぎり合格ラインでしたので、二次試験の勉強をするか1週間程度悩みました。結果、1次試験に落ちていても良い機会なので勉強をしようと決めました。

独学でも合格できる7つの心得はこちら!

8月導入期(60時間):

  • 二次試験に「慣れる」ことが最優先。
  • 私は、60時間を、事例Ⅰ~Ⅲは『ふぞろいな合格答案』5年分(約40時間)、事例Ⅳは『中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方 第2版(TAC出版)』(約20時間)をそれぞれ1周し、「慣れ」と「解答プロセスの整理」に集中しました。
  • 特に注意すべきは「知識補充に時間をかけすぎない」ことです。「知識が足りないから書けない」のではなく、与件文の情報整理力の不足が原因です。『ふぞろいな合格答案』を見ると、合格者の答案は一般的な知識ではなく与件文に基づく構成です。
  • つまり、知識は「使えるフレーズ集め」ではなく、与件文を整理するための切り口や論点を見つける道具にすぎません。必要なのは、知識暗記よりも情報整理の訓練です。二次試験では、与件文から必要な情報を抽出し、論理的でわかりやすい解答を構築する力が求められます。

9月成長期(80時間):

  • 2周目は、解答プロセスの質を高めることが重要で、特に大切なのは次の3点です。
    課題の洗い出しと克服:過去問を解いて反省点を整理し、次の対策を立てる。
    解答プロセスの見直し:洗い出した課題を、実際の解答手順として改善する。
    不足知識の補充   :演習を通じて「必要な知識」を絞り、重点的に補う。
  • 「同じ事例を繰り返すと解答を覚えてしまう」と感じますが、問題ありません。目的は解答を再現することではなく、導くプロセスを精緻化することです。繰り返し解くことで与件文をより深く読み取れ、新たな気づきが得られます。

10月直前期(60時間):

  • 制限時間内に解答をまとめる力を仕上げる段階です。特に、解答を書くだけでなく、見直しの時間を「解答プロセス」に組み込むことが重要です。緊張下では必ずミスが起きるため、見直しを前提とした手順を確立しましょう。  
  • この時期に意識すべき3点は以下の通りです。
    必要知識の再整理  :知識を「解答の切り口」として、すぐに引き出せるよう整理。
    弱点補強      :各ステップを時間内でこなせるよう、苦手箇所を重点的に練習。
    →タイムマネジメント :80分の使い方を明確化し、見直しを含めた解答プロセスを最終調整。

2-3.振り返っての反省

  • 「書く練習」と「文字数」:
    二次試験は、加点キーワードの量が点数に直結するため、キーワードを抽出する訓練に時間を費やしました。過去問は、設問より解答の型を決める⇒問題ごとにキーワードを白紙に羅列⇒解答を見て、不足するキーワードに気づく思考プロセスの分析をしてきました。
    結果、「書く練習」⇒文字の大きさ、綺麗さが不足、「文字数」⇒記載しては書き直すを何度も繰り返したため、時間のロスが生じました。
    10月の直前期のタイムマネジメントでは、この点も踏まえていただくのが良いかと思います。
  • 隙間時間の活用:
    忙しい皆様は隙間時間の有効活用が重要です。私は、次の点を雑でも良いのでノートにまとめていつでも振り返りができるようにしていました、キーワード抽出⇒不足したキーワードを抽出するための思考プロセス。例えば移動時間はそれを見て思考プロセスの再現に努めました。

3.教材別・完全活用マニュアル

3-1.『ふぞろいな合格答案』シリーズ

診断士2次試験の独学合格者の多くがおすすめする定番教材が、『ふぞろいな合格答案』シリーズです。私自身、仕事の合間に独学で一発合格を目指す中でこのシリーズを存分に研究しました。
ここでは直近5年分の『ふぞろいな合格答案』シリーズを使った効果的な勉強法を、実体験を交えつつご紹介します。

3-1-1.特徴

  • 独学者の強い味方:自己採点が可能に
    – 中小企業診断士2次試験は記述式で公式の模範解答が公開されません。そのため独学では「どこが加点されるのか」「何が正解に近いのか」を自力で把握しづらいです。
    しかし『ふぞろいな合格答案』は合格者の再現答案を大量回収・分析し、キーワード採点という独自基準で自己採点を可能にした書籍です。
    過去の実際の答案を統計的に分析し、“得点されやすい表現”や“再現性のある構成”を整理してくれているのが最大の特徴です。例えば1つの設問に対し「技術革新:4点」「コロナ禍:2点」のように、答案中のキーワード毎に想定得点が示してくれます。
  • 膨大なデータ量と信頼性
    – 『ふぞろい』シリーズは毎年、有志の執筆陣(直近の合格者)が中心となり編集されています。昨年度(令和6年度)の最新版では、なんと297件もの再現答案を分析して作成されています。
    ここまで大量の受験生データを活かした教材は他になく、2次受験生にとって必携の参考書として支持されています。私も最初は「本当にこの採点は合っているの?」と半信半疑でしたが、合格した今振り返ると、ふぞろい流のキーワード採点で高得点を目指す学習法は正しかったと感じます。
  • 内容の充実ぶり
    – 『ふぞろい』シリーズの中身は主に3部構成です
    1. 答案分析 – 前述のキーワード採点による詳細な分析結果。本試験の各設問ごとに、合格者の答案から抽出した加点キーワードとその配点推定が示されています。これは全受験生に欠かせない鉄板コンテンツです。
    2. 合格者の再現答案集 – 複数名の合格答案と、”80分間の解答プロセス(問題の解き方・タイムマネジメント)”が掲載されています。独学初学者には特に貴重な経験談で、予備校に通わずとも先輩合格者の解答手順を知ることができます。
    3. 特集記事・コラム – 勉強法や直前期の過ごし方など、執筆メンバーによる読み物コンテンツです。モチベーション維持やメンタル面でも「自分だけじゃないんだ」と共感でき、独学者には心強い内容でした。

3-1-2.活用の流れ

1周目:解答プロセスの準備(8月)

独学で2次試験勉強を始める際、まず壁になるのが「80分でどう解くのか」という解答プロセスです。試験本番では与件文2000~3000字、設問は6~7問で各200字以内の記述。何も考えず解き始めると時間切れになりますし、初見問題に混乱することもあります。
そこで『ふぞろい』掲載の合格者たちの「問題の解き方・タイムマネジメント」を活用しましょう。複数人分の解答プロセスを読み、「与件文をまず〇分読む→設問分析→解答骨子作成→清書」等、具体的な時間配分や解法手順を知ることができます。

手順:

  1. 80分を意識し、(慣れのために)5年分の同事例を連続で解く。
  2. 80分の時間配分を各メンバーの解き方を参考に試行錯誤する
  3. 各メンバーの解答案を見て、一喜一憂する。(安心したり心配になったりします)

ポイント:自分流プロセスの確立
– まずは真似からスタートでOKです。各メンバーのプロセスの中から「これなら自分に合いそう」と思う解き方を選び、実際に過去問演習で試しましょう。うまくいかなければ微調整し、別の人の方法も試す…でPDCAを回し、自分なりの確固たる80分間の型を作り上げましょう。私はこのステップをふまず、最後まで行き当たりばったりになってしました・・・。

2周目:自分の型の確立(9月)

まずは直近年度の過去問から取り組んでみましょう。最新年度の問題はトレンドも反映されているので優先度が高いです。1周目の流れは次のとおりです

手順:

  1. 年度ごとに過去問演習(時間計測)、①点数②書き切れなかった箇所③迷った点などもメモ
  2. すぐに『ふぞろい』で自己採点ふぞろいで自己採点&振り返り
  3. 加点キーワードを盛り込み、答案のブラッシュアップ

ポイント:自分の型の確立
– ふぞろい掲載のA答案(高得点答案)を見比べ、不足の観点やキーワードを洗い出し。重要なのは、得点のズレを「単なるキーワードの暗記不足」でなく、「そのキーワードが点になる理由」の理解。与件文や設問文のどこを読み取ればその答えに辿り着けたのか、ふぞろい解答をヒントに与件と答案を往復しながら分析(=再現性)すると新たな発見があります。
– 採点と分析を踏まえ、自分の解答を再構築します。ふぞろいで抽出した加点キーワードを盛り込みつつ、自分の言葉で納得できる表現に整えます。ポイントは、次に同じ設問や類似問題が出ても再現できるレベルで自分の型に落とし込むこと。私はノートに模範的な解答骨子を書き直し、「ここは与件○段落のあのフレーズを使う」「強みは◯◯と表現すればOK」等、コメントを付けて残しました。自分で腹落ちした表現は本番でも再現性が高く、点数アップです。

3周目:解答プロセス・自分の型の定着(本番直前の10月)

2周目で自分の課題やクセが見えたら、解答プロセス・自分の型の定着です。私はストレート合格狙いだったので試験直後から逆算し、「過去問5~を本番までに3周する」計画を立てていました(時間が許せば10年分挑戦するのも理想です)。

手順:

  1. 年度ごとに過去問演習(時間計測)、2週目のメモを見て成長した点、できてない点洗い出し
  2. できてない点について深堀り自分の型の微修正
  3. 解答プロセス・自分の型の完成

ポイント:解答プロセス・自分の型の完成
– 私の場合、初見の1周目では各事例とも40~60点台でショックを受けましたが、3周目にはほぼ全事例で60点台後半~80点まで伸びました。。繰り返す中で「キーワードの選び方」や「型を作る力」が向上し、安定して合格点を狙えるようになります。
– 3周目ともなると、過去問を読んだ瞬間に「これは○年度のあのケースに似ているぞ」「使えるフレームワークはアレだな」と閃くようになります。実際、本番でも過去問のどのケースに近いかを瞬時に考え、対応パターンを引き出すことで解答方針がぶれずに済みます。

3-1-3.効果を高める活用ポイント

最後に、『ふぞろいな合格答案』を使う上でのコツと注意点をまとめます。独学でも一発合格できた多くの先輩ブログの知恵を参考にしています。

  • 「キーワード=得点」だが入れすぎ注意!
    – ふぞろいのキーワード採点は非常に有用ですが、闇雲にキーワードを詰め込めば良いわけではありません。キーワードばかり並べて箇条書きのような文章にすると論理性や読みやすさが損なわれ、採点者から見れば不自然な報告書になります。ふぞろいの注意書きにも「ふぞろい流の採点基準は本試験の基準とは異なり、論理性や読みやすさは考慮していません」とあります。ですから自己採点後は、キーワードの有無だけでなく文章としての読みやすさや一貫性もチェックしましょう。私も採点後には必ず自分の答案を頭から通読し、「この表現は論理が破綻していないか?」「話が飛んでいないか?」と推敲するようにしていました。
  • 解答の根拠探しを徹底する
    – キーワードそのものを暗記するのでなく、大切なのは「なぜそのキーワードに至ったか」を考えることです。ふぞろいのA答案を読んだら、必ず与件文や設問文に立ち返り「どの記述からこう読み取ったのだろう?」と推論してみてください。「ここにこう書いてあるから、出題者はこれに気付いてほしかったのか!」という風に、与件文中のヒントに気付く訓練を積むことができます。これを繰り返すと徐々に、問題文から必要十分な根拠を拾い上げて解答を組み立てる力がついてきます。2次試験は決してひらめき勝負ではなく、与件や設問の中に必ずヒントがあるものです。その目で過去問を読み解けるようになるまでが勝負です。
  • 合格者の思考に学び、最後は自分のスタイルに
    – 『ふぞろい』を使っていると、、例えば「この人の答案、与件に書いてない知識で回答してるけど、それより与件の○○を書けばよかったのでは?」とか「この表現うまい!短く的確だ」といった視点で他人の答案を評価できるようになります。こうなればインプットに依存せず自走できる状態です。最終的には自分に合った書き方や言い回しで合格答案を仕上げればOK。「ふぞろい」はあくまで道しるべなので、得た学びを活かしてあなた自身の答案スタイルを完成させてください。

3-2.財務が苦手でも大丈夫!『中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方〈第2版〉』活用術

中小企業診断士2次試験のラスボスと言われる「事例IV」(財務・会計)。独学受験生の中には「財務会計が苦手で事例IVが不安…」という方にTAC出版の『中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方〈第2版〉』がお勧め。ここでは本書の特徴と効果的な使い方、独学で活用するポイントを解説します。

3-2-1.特徴

  • 初心者に優しいステップアップ方式
    – 『事例IVの解き方』はその名の通り「事例IVの解答プロセスが身につく!」ことを目指した教材で、基礎から段階的にレベルアップできる構成です。例えばNPV(正味現在価値)の論点なら、いきなり複雑な投資判断問題に取り組むのではなく、「FCFの算出→投資CFの算出→現在価値の計算→それらを組み合わせた投資の経済性計算問題へ」という流れで、複数要素を順を追って理解させてくれます。各ステップごとに「なぜこの式になるのか」「どこでつまずきやすいか」といったポイントにも丁寧に配慮されています。
  • 財務が苦手でも挫折しにくい
    – 上記のように基礎から優しく導いてくれるため、事例IVに苦手意識がある人でも無理なく取り組めるのが本書の大きな魅力です。実際Amazonレビューでも「初学者向け」と評価。
    他の計算問題集(例えば「30日完成!事例IV合格点突破計算問題集」)は応用問題まで網羅するぶん難易度が高く、財務初学者にはハードルが高い場合がありますが、本書は優しい問題からスタートして徐々にレベルアップできるので取り組みやすかったです。
  • 得点アップに直結する基礎力養成
    – 『解き方』で重視されているのは、計算過程の理解と答案へのプロセス記述です。事例IVでは難問も多く、全問完璧に正解するのは困難ですが、基本的な考え方や計算プロセスを正確に掴んでおけば、答えが合わなくても解答用紙に計算過程を書くことで部分点を稼ぐことができます。実際、70点超の高得点を取った人がNPVやCVPで一部計算ミスしている例がありました。その方は答案用紙にしっかり途中式や考えた過程を残しており、それが評価に繋がったようでした。本書で基礎要素を押さえておけば、本番でも落ち着いて筋道だった解答を書く力が養われます。「完答できなくても差をつけられる」という事例IV攻略の肝を、本書はしっかり押さえていると感じます。
  • 三部構成の便利な教材
    – 第2版では、教材が問題編・解答用紙編・解答解説編の3冊に分冊されています。最初は「ちょっと使いづらいかな?」と思いましたが、実際には問題集としてとても使いやすいです。問題編を開きながら解答用紙編に書き込み、解いたら解説編で答え合わせ…という流れでまるで模擬試験を受けているような感覚で進められました。解答用紙が別冊になっているおかげで何度でも書き込み練習できますし、コピーを取って繰り返し使うことも容易です。80分間での答案作成の訓練にもピッタリだと思います。

3-2-2.活用の流れ

独学で『事例IVの解き方 第2版』を最大限活用するためのステップを紹介します。財務初心者だった私が実践した勉強フローです。事例Ⅳを得意科目とし合格を目指しましょう!

1周目:苦手克服!基礎力の徹底養成(8月)

本書のChapter1~基礎部分をじっくり学習します。例えば経営分析の基本指標計算、CVP(損益分岐)分析の公式理解、投資評価(NPV計算)の前提知識など、各分野の初歩的な問題を解いて解説を読みます。

手順:

  1. 各分野の初歩的な問題(例:NPV計算、CVP分析など)を解き、必ず解説を熟読
  2. 間違えた箇所は自分の言葉でノートにまとめて思考を整理し定着
  3. 例題→類題を挑戦。間違えた問題は印をつけて翌日に再チャレンジし再現性をUP

ポイント:基礎の習得と苦手意識の克服
– まずは、事例Ⅳを解くのに必要な基礎知識を習得します。例題→類題を解いていると、傾向がわかり、「あ、知識はそこまで必要ないな!」と気づくタイミングがあります。
特に計算問題は、解説を熟読して腹落ちさせること。公式が導出される過程や、間違えやすいポイントを理解し、「なぜそう計算するのか?」がクリアになれば怖いものなしです。

2周目:典型問題で解答プロセスを確立(9月)

1周目で基礎を学んだら、本書後半の応用的な設問や総合問題にチャレンジします。事例IVの典型パターンである経営分析・CVP・NPV・その他計算問題を網羅しているので、過去問と同じ形式の設問を解く訓練になります。2周目を終えるころには、引出しが増えた実感が得られると思います。

手順:

  1. 時間(80分)を意識して本番形式で解く
     例)経営分析:10分、CVP分析:15分 等々
  2. 途中点を確実に狙うため、計算問題は過程を必ず書く
  3. 間違えた内容はノートに具体的に記載しいつでも振り返れる状態に
     例)「減価償却費の扱いを誤り→最後に足し戻す」「在庫増=費用超過=利益減」

ポイント:時間感覚の習得と計算過程を書く力
– 当日、最後の科目である事例Ⅳは初見の問題で焦り時間が足りませんでした。その前提で、「どの順番で、どの問題を、どの位の時間で解くか」の解答プロセスの訓練が大切です。
– 時間が足りない場合は、計算問題で途中点を狙えるよう、計算過程を理解し書けることが合否を分けます。私も具体的な数値でなく、一般論での計算過程を記述したら途中点を貰えたと思います。

3周目:過去問演習と弱点補強(10月)

本書を2周し終えたら、いよいよ過去問演習にシフトします。私は、『事例IVの解き方』を一通り終えた段階で過去問に着手し、残り時間で弱点補強として本書を再参照するような使い方をしました。

手順:

  1. 過去問に挑戦し、知識だけではない実戦感覚を養い本番慣れ!
  2. 過去問で間違えた箇所等のあやふやな箇所は、弱点補強に本書を再活用!
  3. 過去問にある初見問題も解ける実感を持ち腹を括る!

ポイント:実践感覚を養い自信を持つ
–本書を理解すれば、当日初見の問題があったとしても応用することで解ける可能性が高いです。その事実を認識するためにも、過去問を解くことで自信をつけましょう
–2周目で意識付けした時間感覚・配分で過去問を解き、ずれがあった場合は微修正しましょう。また、”問題を解く順序”、”全て解けないと判断し部分点を狙いに行くタイミングとその場合の解く順番”をリカバリープランとして決めておくと当日、更に落ち着いて取り組めます。

3-2-3.効果を高めるポイント

『事例IVの解き方 第2版』を使い倒すためのコツを次の通りまとめてみました。

  • 挫折しない順序で学習
    事例IV対策教材は他にも色々ありますが、順番を間違えると心が折れます。本書は初学者が最初に取り組む教材として最適なので、まず本書で土台を作りましょう。財務に自信がついてから、より高度な問題集(例えば前述の30日完成問題集や全知識&全ノウハウなど)にチャレンジすると効果的です。逆に言えば、本書をやり込めばふぞろい+本書だけで事例IVは合格点に届きました
  • アウトプット重視で手を動かす
    独学だとテキストを読んでわかった気になりがちですが、計算科目は解いてナンボです。本書は問題が豊富に用意されているので、必ず自分で計算し、筆記まで行いましょう。特に電卓を叩くスピードやケアレスミス防止は、量をこなして体に覚えさせるしかありません。私も平日は仕事で時間がない中、隙間で解説を読み、帰宅後に1問でも問題を解く…を続けました。インプットよりアウトプットの量を増やしましょう
  • 部分点狙いの書き方を習得
    事例IVでは途中経過の書き方で点を拾えるケースがあります。本書で学んだ解答プロセス記述は、そのまま本番でも活きます。普段から答案に計算プロセスを書く練習をしておけば、採点者に「この人はここまで考えてるな」と伝わりやすいですし、見直しの際も自分で検算しやすくなります。私も当日は焦って完答できない設問がありましたが、途中までの算式を書いておいたら自己採点では部分点が期待できる結果になりました(実際合格できたのできっと点をもらえたのでしょう)。

4.まとめ

最後に本記事のまとめを記述します。ご参考にしていただき、独学で一発合格に向けた一助になると幸いです!

働きながら独学で一発合格を目指すロードマップを大公開!

  • 中小企業診断士二次試験を独学・短期間で一発合格するには、限られた時間の中で「解答プロセスの確立」と「再現性ある学習サイクル」が鍵です。
  • 使用教材は『ふぞろいな合格答案』と『事例Ⅳの解き方(TAC出版)』の2冊に絞り、8~10月の3か月で3周しました。ふぞろいでは合格者の再現答案からキーワードと論理構成を学び、自分の型を確立。事例Ⅳは基礎→応用→過去問の順に段階的に演習し、計算過程の理解と部分点を狙える答案作成力を身につけました。
  • 時間配分の訓練も重視し、80分間での最適な手順を構築。間違えた箇所はノート化し、思考プロセスの再現練習で弱点を補強しました。手を広げず、必要最小限の教材を深くやり込むことが独学合格の最大のポイントです。これらを繰り返すことで、初見問題にも落ち着いて対応できる「実戦対応力」と「再現性のある得点力」が身につきます。


               榎本雄介
               

中小企業診断士 Eno(登録番号:429629)

中小企業診断士です。金融機関で働きながら、独学で1次・2次共に1回、1年で2024年度に合格しました。
実務従事を経て、2025年8月より中小企業診断士として活動しています。
独学で1次・2次試験を突破するためのノウハウを発信しています。皆様のご参考になれば幸いです。

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