こんにちは!私は、金融機関で法人営業をしているサラリーマンです。
「中小企業診断士の試験って、独学では難しい?」多くの社会人がそう感じるのではないでしょうか。
私もその一人でした。平日は法人営業の仕事で外回り、夜は家族との時間も大切にしたい。
そんな中で、限られた時間をどう勉強にあてるかを考えました。
2024年度に中小企業診断士を受験し、独学で一次、二次試験ともに一発合格することができました。
一次試験の合格率:27.5%(受験者18,209人/合格5,007人)、二次試験の合格率:18.7%、一次二次試験共に一発合格率:5.1%(※アガルートアカデミー調べ)と非常に狭き門でした。
中小企業診断士の試験勉強にあたり、この記事では、私の実際の得点データ・勉強スケジュール・戦略の立て方、勉強方法の向き不向き、すべてをつまびらかに公開します。
1.中小企業診断士とは
この章では、中小企業診断士の業務と私が興味を持ったきっかけについてご説明します。
1-1.中小企業診断士の業務
中小企業診断士は、中小企業の経営課題を診断・助言する経済産業省所管の国家資格です。
経営戦略、財務分析、マーケティング、業務改善、IT導入、人材育成、事業承継など、幅広い分野で企業の成長を支援します。理論と実務の両面から中小企業の持続的発展を支える専門家です。
活動形態は大きく2つ。
一つは独立してコンサルティングを行う「独立診断士」。企業の経営相談、補助金申請支援、セミナー講師など多様な業務を担います。
もう一つは企業内でスキルを活かす「企業内診断士」。企画・営業・管理部門などで改善提案や戦略立案を実践します。
また、診断士は国・自治体・商工会議所などの公的支援事業にも関わり、地域経済の活性化に貢献。近年はDX、脱炭素、事業再構築など、特定分野に特化して専門性を発揮する人も増えています。
資格は5年ごとに更新が必要で、実務・研修による継続的学びが求められます。
変化の激しい時代において、診断士は中小企業の課題解決と未来創造のパートナーとして活躍できる国家資格です。
1-2.中小企業診断士に興味を持った理由
魅力的な中小企業診断士に対して、「本業との親和性」「収入の複線化」で興味を持ちました。
1-2-1.本業との親和性
私は中小企業向けの営業職として、多様な業界・規模の企業と日々接しています。
中小企業診断士の知識を学ぶことで、表面的な提案から脱し、企業の本質的課題に踏み込んだ提案が可能になります。
財務・人事・マーケティングなど幅広い視点から、経営者に寄り添った助言を行う力が身につき、本業にも相乗効果を生み出せると感じました。
実際に、経営構造や改善策を“診断士の視点”で整理できるようになり、提案の説得力が大きく高まりました。
1-2-2.収入の複線化
41歳の今、定年70歳の可能性を考えると、「会社に依存しない生き方」も選択肢の一つだと感じます。
診断士資格を取得すれば、企業内で経営支援に携わるだけでなく、副業・プロボノ・将来的な独立も視野に入ります。
社内では専門性を活かした新たな役割を担え、社外では経営者ネットワークを築ける。
その結果、会社の枠を超えた“自分で選べるキャリア”を実現できると考えました。
この挑戦は、将来の選択肢を増やし、人生に新しい可能性を与える投資でもあります。
2.独学で一発合格した年間の勉強計画(スケジュール)
私は集中力があまりなく長続きする方ではないので、1回で受かりたいと強い決意を持ちました。
逆に、逆に1回で落ちたらもう二度と受けないと決めていました・・・。
スケジュールは年間⇒月間⇒週間と逆算することで、より具体的な目標を設定できます。
また、一次試験・二次試験共に、得点を取る科目を決めメリハリをつけて勉強することが合格へ近づきます。
2-1.試験日程(私が受験した2024年)
全体のスケジュール感です。2024年度の試験日程は次の通りでした。
| 試験区分 | 日程 |
|---|---|
| 1次試験 | 2024年8月3日・4日 |
| 1次合格発表 | 2024年9月3日 |
| 2次筆記試験 | 2024年10月27日 |
| 2次口述試験 | 2025年1月26日 |
| 最終合格発表 | 2025年2月4日 |
2-2.勉強スケジュール
私は、1月から勉強を開始し、次の年間計画で勉強し何とか合格を勝ち取ることができました。

一次試験は、1月から7月末までの約7カ月間。
1月から2月の2カ月をかけて全教科をやり切り、3月中に2週目。
4月以降に過去問を徹底的にやりこみ試験本番を迎えました。
二次試験は、ふぞろいな合格答案を徹底的にやりこみました。
必要なキーワードの抽出の仕方と表現の仕方を学び試験に挑みました。
(一次試験の合格発表までのモチベーション維持が大変でした・・・)
年間計画から逆算して月次計画→週次計画と詳細化していくと、より具体的に目標設定ができます。
独学で一発合格を目指す勉強の具体的な年間・日時計画の立て方と7つのルールはこちら
3.独学で一発合格した戦略(得点源づくり)・得点
中小企業診断士は一次試験が7科目で暗記、二次試験が4事例筆記と、幅広いテーマで様々な能力が問われます
人それぞれ、得手不得手があるため、やみくもに勉強をするよりも戦略的に勉強した方が合格に近づくと考えます。
本章では、私が実行した戦略について説明したいと思います。
3-1.私が独学を選択した理由
私は、独学に次のようなメリットを感じていました。
- 費用が安い:私は教材・試験代・雑費で計約8万円。予備校や通信講座の約30万円に比べ格安。
- 自分のペースで勉強できる:時間も場所も自由。平日は会社近くと自宅近くのカフェを拠点に。
- 学習スタイルを最適化できる:得意・不得意で配分を調整。得点源科目に重点を置いて効率化。
- スケジュールの自由度が高い:予定変更に柔軟、仕事との両立が容易。ただし自己管理力は必須。
中小企業診断士は、平均的に3回(つまり3年)程度受ける試験です。
一方で、私は集中力が続く方ではないため、短期決戦、かつ、コストをかけると失敗したときに残念な気持ちになるので、独学で試験に挑むことに決めました。
3-2.戦略・得点について
中小企業診断士は一次試験で7科目、二次試験で4科目と全てを完璧にするのは不可能です。
その状況で私がとった戦略について概要とその結果の得点をご説明します。
3-2-1.一次試験の得点戦略
一次試験は7科目ありますが、すべてを完璧にするのは不可能です。
私は「得点源を3科目作る」「苦手は40点台に落とさない」方針で進め、科目ごとに勉強時間のメリハリをつけました。
- 経済学・財務・運営管理を得点源化(平均70点以上を狙う)を目指しました。
- 暗記系(経営・法務)は「60点キープ」狙いとしました。
- 苦手系(情報・中小)は「50点キープ」狙いとしました。
- 学習時間配分:得点源50%・暗記科目30%・苦手系25%としました。
3-2-2.一次試験の勉強戦略
一次試験7科目を全て並行して勉強するのは不可能です。
私は、次の戦略を練り勉強を進めました。
- 経済 → 財務 → 経営 → 運営の黄金ルート
- 情報・法務・中小は暗記系で後半に回す
- 苦手科目は捨てず、得意科目を伸ばす「割り切り戦略」
3-2-3.一次試験の使用教材(テキスト)
戦略を立てた後はそれを実現するための手段である教材(テキスト)が重要です。
テキストは、様々な種類に手を付けるのではなく、厳選したうえで繰り返し解くことで、一次試験の場合は記憶の定着に繋がります。
私は、教科書と実践でそれぞれ次の教材(テキスト)を選定しました。
- 教科書:「みんながほしかった!中小企業診断士の問題集と教科書」
「教科書でインプット → 同じ単元を問題集でアウトプット」という流れが知識定着にベター - 実践 :「過去問完全マスター」(過去問完全マスター製作委員会)
論点ごとに複数年の問題を集約されており、短期間での弱点克服と頻出論点把握に最適
3-2-4.一次試験の得点
一次試験7科目の点数は次の通りでした。1次試験平均62.3点、結構ぎりぎりでした。

結果は、「経済学・経営政策」を除きほぼ狙い通りとなりました。
「経営情報システム」「中小企業経営・中小企業政策」の点数が低く、「財務・会計」「運営管理」の点数が高い結果となりました。
試験当日は、独学で模試も受けていないので、科目ごとの時間配分、一日の体力配分が分からず、1日目の運営管理の時間はもはや疲れ果てててやや思考停止状態だったことを覚えています。
2日目も、「経営情報システム」の問題が難しすぎて、半分以上を山勘で解き思考停止状態になり、最後の「中小企業経営・中小企業政策」に挑みました。自分でもよく受かったものだと思います。
二日間ともに昼休みがあり、パートナーが作ってくれたオニギリを感謝しながら頬張っていました。感謝!
また、早めに切り上げた科目もあり、その際は、私の受験地の場合は、大学の食堂が解放されていたため、そこで次の科目の勉強をしました。
両日ともに、帰宅後にソワソワして、ネット上で解答速報を漁りました。一番早かったのは「KEC」で、今年度は全て当日中に公開されましたので、皆さんも参考にしてください。
3-2-5.二次試験の得点戦略
二次試験は、4事例ありますが、事例Ⅰ~Ⅲと事例Ⅳでは出題形式が異なります。
それぞれの対策が必要です。
- 事例Ⅰ~Ⅲは記述問題で、与件整理と設問解釈の力が重要です。自分なりの「解答プロセスの型」を作ることが安定した得点につながります。60点程度を目指すことにしました。
- 事例Ⅳは計算問題で、設問に応じた計算プロセスの詳細化と表現が重要です。過去問を解くと出題傾向があるため、傾向を分析し、70点以上を目指す得点源とすることにしました。
3-2-6.二次試験の勉強戦略
二次試験は「専門知識を問う試験」ではなく
“文章読解力と、与件文から根拠を抜き出す力”が7〜8割を占める試験 です。
そのため、最初に身につけるべきは専門知識ではなく 解答プロセス(手順) です。
- 文章読解力 > 専門知識:文章の意味を正しく読み取れるか
- 80分の解答プロセスの型を作り訓練が必要
- 与件文は「目的別に読む」:全体像→課題→設問根拠
- 設問解釈は構造化が鍵
- 記述はフレーム暗記ではなく”骨子作成力”
3-2-7.二次試験の使用教材
二次試験では、次の教材を活用しました。
傾向が異なる事例Ⅰ~Ⅲと事例Ⅳは違う教材を使用しています。
- 『ふぞろいな合格答案』シリーズ 過去5年分
→様々な解答案の採点が予測されており、加点要素が分かりやすい。また、5年分で傾向把握。 - 中小企業診断士 第2次試験 事例IVの解き方 第2版 [事例Ⅳの解答プロセスが身につく!]
→過去に出題された問題に必要な知識が体系立てて整理されているため、この1冊で対策は完璧。
3-2-8.二次試験の結果
二次試験4科目の点数は次の通りでした。二次試験平均63.5点、またまたぎりぎりでした。

戦略通りではありましたが、落ちたと思っていたので、合格していた時は大変驚きました。
当日は、時計を忘れ、試験会場にも時計がなく時間配分が分からないまま突き進みました。
試験監督の5分前ですコールで最終チェックする荒業で対応していた記憶があります。
また、様々な記事で、マーカーで線を引く等々のノウハウが記載されていましたが、おおざっぱな私にはそこまでルールを細分化した徹底ができないため、気になるキーワードはメモする程度に留めました(これは自分の性分上、正解だったかなと思います)。
また、解く練習の時に、キーワードを洗い出す訓練だけをしていたため、文字数制限がある中で問題を解くのが初めてで、字数チェックに苦労しました。少なくとも2週間程度はこの訓練をした方がより余裕をもって合格できたと考えます。
4.独学で一発合格する心構え(継続する仕組みづくり)
中小企業診断士の試験は息の長いマラソンです。
緻密な計画(スケジュール)・戦略を立てた後に、実行・継続していくことが重要です。
4-1.勉強の習慣化
4-1-1.勉強時間の固定化
習慣化の最重要要素は “時間の固定” です。
特にポイントは 「時間が来たら勉強が始まっている状態を作る」 こと。私の場合は、
- 毎朝7時~8時→最寄りの喫茶店で勉強
- 電車に乗る→この隙間時間で前日に決めたリストの復習
4-1-2.やることリスト(勉強メニュー)の事前準備
勉強が続かない最大の理由は「何をするか迷うから」 です。
毎週末に翌週の日次の勉強計画(スケジュール)を決めて、次のように“メニュー化”すると悩まずに取り組めます。
例)
- 月:財務のCVP問題10問
- 火:企業経営のマーケ論章まとめ
- 水:運営管理の過去問1年分
- 木:経済IS-LMの復習
- 金:法務の暗記カード
- 土:一次過去問の総合演習
- 日:二次の事例Ⅰ 骨子づくり
さらに 1日の勉強計画(スケジュール)まで練っておくと加速します。
4-1-3.小さくても毎日やる(量より継続)
習慣化に必要なのは「勉強ゼロの日を作らない」 こと。
- 1日10分でもOK
- 法務の1ページだけでもOK
- 過去問1問だけでもOK
- 思考フレームの見直しだけでもOK
重要なのは「今日もやった」という成功体験を積むこと。
行動科学で最も有効なのは次の3つを守ることです。、
- ハードルを下げる
- 連続記録を伸ばす
- モチベーションは“結果”ではなく“行動”から生まれる
4-2.モチベーション維持
4-2-1.完璧主義を捨てる
中小企業診断士の試験範囲は膨大です。完璧を目指してもキリがありません。
まずは「6割取れれば合格」という現実を理解しましょう。
全科目で40点未満がなければ、総合60%以上で合格です。
“やらない勇気”を持ち、モチベーションを下げる要因を減らしましょう。
4-2-2.合格した後の自分を想像する
目的があって中小企業診断士の勉強をしているので合格後の姿を想像することはモチベーションアップにつながります。
例えば、
- 診断士が活躍している場を実際に感じること。
虎ノ門の中小企業基盤整備機構、大手町の日本政策金融公庫に足を運び、診断士資格を取得後に、中小企業の顧問先や支援先企業の経営者と共に訪問するイメージを醸成する。 - 先輩診断士のブログやSNS。
若手診断士の中には人気ユーチューバーが多く存在する。ジャンルは、受験生向けの情報提供、診断士の「診る・聴く・書く」の仕事の紹介、年収〇万円を稼ぐ方法、といったコンテンツは多岐に亘り、勉強の息抜きと同時に資格取得に向けたモチベーション向上に繋がる。
5.まとめ
中小企業診断士試験を独学で一発合格するには、
①明確な計画 ②得点源づくり ③解答プロセスの確立 ④継続の仕組み化
この4点を徹底することがすべてです。
まず「明確な計画」。
範囲の広い試験を攻略するには、年間計画から逆算して月次・週次で進捗を可視化し明確に設定することが重要です。
次に「得点源づくり」。
例えば、一次試験では得点源を3科目(経済・財務・運営管理)とし、他科目は6割確保で合格点を安定化させました。
三つ目は「解答プロセスの確立」。
例えば、二次試験では“因果構造”を意識し、設問解釈→与件整理→キーワード抽出→構文化という自分なりの解答型を確立しました。
最後に「継続の仕組み化」。
私は週末に翌週の学習予定を立て、朝と通勤時間を活用。勉強を“習慣化”することで集中力を維持しました。
この4つを軸にすれば、独学でも短期間で合格レベルに到達できます。重要なのは「完璧」より「継続」。自分に合ったリズムで粘り強く進めることが、合格への最短ルートです。

コメント