こんにちは。
2025年度(令和7年度)中小企業診断士 二次試験「事例Ⅲ」を受験された皆さま、本当にお疲れさまでした。
本記事では、私が以前公開した「事例Ⅲ出題予測(こちら)」の内容と、実際の本試験問題(紙パイプ製造業 C社)を照合し、
- どこまで当たったのか?
- どこがズレたのか?
- どんなロジックで的中したのか?
を、できる限り客観的に分析します。
まず結論から言うと――
「品質バラツキ」「技能承継」「工程管理」「多品種化」「見込み生産の是非」 の5本柱はほぼ完全的中。
全体として “的中率 80%クラス” の結果でした。
1.2025年度 事例Ⅲの出題概要
今年の事例Ⅲは、紙パイプを製造する C社が主人公でした。
もともとは「製紙用コア(巻き取りパイプ)」を中心とした 受注生産 BtoBメーカーでしたが、
- 多品種化による工程混乱
- 品質バラツキ
- 技能承継不足
- 在庫を持つか否か(見込み vs 受注)
- 新事業:食品・医療分野の高品質紙パイプ
といった “事例Ⅲらしい” 論点がフルセットで登場。
ざっくり骨格を整理すると次のとおりです。
第1問:強み・弱み(内部環境の総整理)
第2問:コストダウンのための課題と改善策
第3問:在庫を持たずに納期対応可能な工程管理
第4問:食品・医療分野に参入するための社内体制整備
つまり、
「品質 × 工程管理 × 技能承継 × 多品種 × 新事業」
という、近年の事例Ⅲの王道フルコンボがそのまま出題された年だったと言えます。
2.予測内容と実際の出題の照合結果
私が予測記事の中で想定していた主要テーマは次の5つでした。
- 品質バラツキの顕在化(不適合・クレーム)
- 工程管理の混乱(段取り・計画変更・多品種)
- 技能承継の問題(ベテラン依存)
- 在庫問題(見込み vs 受注生産)
- 新事業(食品・医療)への高品質対応
そして、実際の出題内容を並べると――
| 項目 | 予測 | 実際 | 判定 |
|---|---|---|---|
| 品質問題 | バラツキ → 標準化 | 厚さ・強度のバラツキ、クレーム増加 | ◎ |
| 工程管理 | 多品種化/突発変更 | 仕様変更10%/紙メモ指示/工程混乱 | ◎ |
| 技能承継 | ベテランの技能喪失 | 経験・勘依存/高齢化/立上がりロス | ◎ |
| 在庫方針 | 見込み vs 受注が争点 | 経営者が「在庫持たず工程改善へ」 | ◎ |
| 新事業 | 食品・医療の高品質 | 衛生・強度など厳密基準への対応 | ◎ |
3.設問別に見る的中ポイント
■第1問:強み・弱み(完全一致)
予測:
「第1問は強み弱みの整理(SWOTの内部)から来る」
実際:
「A社の強みと弱みを述べよ(各30字)」
→ 形式・内容とも完全的中。
C社の内部環境は以下の通り教科書的に整理できました。
- 強み:再生紙原料の調達力、用途多様化による技術の深さ、評価の高い加工技術
- 弱み:技能承継不足、品質バラツキ、原料紙在庫管理の弱さ、工程混乱
“事例Ⅲの初問=内部環境整理” のセオリー通りでした。
■第2問:コストダウンの課題と改善策(完全一致)
予測:
「技能承継・段取り・標準化・段取り短縮が論点」
実際:
- 立上がりロス
- 品質バラツキ
- 突発変更 → 混乱
- 原料紙待ちによる停滞
→ まさにコストの源泉を問う王道設問で完全一致。
■第3問:在庫を持たない工程管理の改善(完全一致)
予測:
「見込み生産の是非 × 工程管理改善が来る」
実際:
- 見込み生産はリスクでやらない
- 工程管理の改善で納期対応せよ(100字)
→ ここも100%一致。
回答の方向性は、
- 週次計画の精度向上
- 仕様変更の管理
- 進捗見える化
- 標準リードタイム化
- 原料紙の在庫適正化
という “段取り × 計画 × 情報共有” の3点セットが王道です。
■第4問:食品・医療向けへの体制整備(完全一致)
予測:
「新事業=品質保証体制・標準化・教育・記録が問われる」
実際:
- 食品・医療向けの高品質基準
- 120字で社内の取り組みを助言せよ
→ これも予測通り。
HACCP的な品質要求、工程能力の安定化、人材教育、記録管理などが鉄板論点でした。
4.ズレがあった部分と来年への示唆
ズレがあったのは1点だけ:
● 「運送2024年問題」など外部環境の深掘りを読み切れなかった
C社の外部環境に「ドライバー不足→出荷遅延リスク」が書かれていました。
ここは予測段階では触れていませんでした。
ただし、事例Ⅲではあくまで補足要素であり、致命的なズレではありません。
5.的中の背景と今後の活かし方
5-1.過去5年の「品質×工程管理」の再出現周期を正確に捉えた
令和4〜6年度で何度も出てきたテーマであり、
事例Ⅲは“一度出たテーマが形を変えて必ず返ってくる”特徴があります。
5-2.2024〜2025の製造業白書の重要語を重視した
昨今の中小製造業は、
- 多品種小ロット
- 技能承継
- 標準化
- 設備投資の抑制
という文脈が強く、まさに今年の事例Ⅲに反映されていました。
5-3.「事例Ⅲの王道構造」を外さなかった
事例Ⅲの王道4要素:
- 品質
- 生産計画(工程管理)
- 技能承継(教育)
- 新事業への体制整備
今年はこれがすべて直球で問われる年でした。
6.今後の受験対策で意識したいポイント
- “工程×品質×技能” の三角形は毎年必須テーマ
- 「見える化」「標準化」を文章化する訓練は必須
- 新事業=品質保証体制強化 という流れは今後も継続
7.まとめと次回予告
2025年度の事例Ⅲは、予測と非常に一致度の高い内容でした。
- 品質
- 技能承継
- 工程管理
- 多品種対応
- 新事業(食品・医療)
という事例Ⅲの“王道セット”がフルに出題され、
予測ロジックがほぼそのまま当たった年と言ってよいと思います。
次回は、
👉 「2025年度 事例Ⅲ 再現答案&80点答案の思考プロセス」
を公開予定です。
- どの情報を使い
- どの順番で構成し
- どのように字数を調整するか
を、具体的に解説します。


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