【中小企業診断士】一次試験を独学500時間で一発合格した7科目の頻出論点と攻略法まとめ

中小企業診断士一次試験7科目の頻出論点と攻略法まとめ(ライオンキャラクター前のめり) 一次試験対策
独学でも合格できる!7科目の頻出論点をまとめて最短合格へ

私は、中小企業診断士一次試験・二次試験共に運よく独学で一発合格しました。
特に一次試験は、特色が異なる7科目も並行して勉強する必要があり、その勉強時間おおよそ700時間といわれる中。私は、様々な工夫をして500時間で合格できました。(これも運ですが。。。。)

私は、一次試験の独学での一発合格には、「勉強スケジュール」「教材」「勉強方法」「モチベーション」「科目別攻略」の5点が必要だと考えています。
この記事は、「科目別攻略」の第一歩として、7科目の概要と頻出論点を学ぶことができます。

頻出論点を理解することで、安定した点数に直結します。
まずは、一読していただき、分かるもの=安心、分からないもの=詳細確認、と、ご自身の振り返りにご活用ください。

1. 経済学・経済政策の頻出論点

第1章では、経済学・経営政策の概要と、頻出論点について理解してください。

1-1. 経済学・経済政策の概要(ざっくり)

経済学・経済政策では、経済全体の情勢を把握する「マクロ経済学(IS–LM、GDP、景気・物価・政策効果などのモデル思考系)」から、消費者の行動傾向を把握する「ミクロ経済学(需要・供給、無差別曲線、価格弾力性などのグラフ+計算系)」まで、経済学の基本を網羅的に学習する科目です。

「理論+グラフ」の対応を押さえると、一気に得点源になりやすい科目です。

1-2. 経済学・経済政策 頻出論点一覧

【IS-LM分析(財政・金融政策)】
代表的な問題:
 IS曲線とLM曲線のシフトによる財政政策・金融政策の効果に関する問題。
解説:
 マクロ経済学の基本モデルで、毎年のように出題されています。IS-LMモデルを用いて、財政支出拡大や貨幣供給増加が利子率や国民所得に与える影響を問う問題が頻出です。理論とグラフの対応を理解しておくことが重要です。

【無差別曲線と代替効果・所得効果】
代表的な問題:
 消費者の無差別曲線上の選好変化(代替効果・所得効果)に関する問題。
解説:
 ミクロ経済学の需要分析で頻出の論点です。無差別曲線と予算線を用いて、価格変化時の消費量変化を代替効果と所得効果に分解する知識が問われます。グラフを自分で描いて分析できる力が要求されています。

【需要の価格弾力性】
代表的な問題:
 価格の変化が需要量に及ぼす割合変化(価格弾力性の大小)を計算・比較する問題。
解説:
 価格弾力性はミクロ経済の基本事項です。直線の需要曲線上での弾力性計算や、弾力性が大きいか小さいかの判断を問う問題が典型です。基本公式を使いこなし、弾力性の意味(需要の敏感さ)を説明できるようにしておきましょう。

【市場の失敗(外部不経済・公共財)】
代表的な問題:
 公共財供給の最適水準や外部不経済に対する政府の介入策に関する正誤問題。
解説:
 外部効果や公共財など、市場メカニズムが機能しないケースも頻出論点です。
 負の外部効果による社会的損失や公共財の非競合性・非排除性に関する理解、課税や補助金・政府提供といった是正策が繰り返し問われています。

【国民経済計算(GDPの計測と構成)】
代表的な問題:
 GDPの定義や名目・実質の違い、経済成長率計算など国民経済計算に関する基本問題。
解説:
 マクロ経済の基礎であるGDP・国民所得の計算も毎年のように出題されています。名目GDPと実質GDPの違い、支出・分配・生産面からの構成要素、経済成長率の算出などが典型です。基本事項ですが計算問題も多いため、定義を正確に押さえ、指標間の関係を理解しておく必要があります。

2.財務・会計の頻出論点

第2章では、財務・会計の概要と、頻出論点について解説します。

2-1. 財務・会計の概要(ざっくり)

財務・会計で学習する具体的な内容には、「財務諸表」を読み取って会社の財政状態を分析したり、「NPV」を用いて投資意思決定を行うなど、会社のお金回りに関するあらゆる知識が試験範囲に含まれています。

会社経営をする上で、お金の管理は意思決定に大きな影響を与えるため、中小企業診断士としては重要な一方、難易度は高い科目です。「公式暗記+反復計算+スピード」が攻略の鍵になります。

2-2. 財務・会計 頻出論点一覧

【損益分岐点分析(CVP分析)】
代表的な問題:
 固定費・変動費の設定による損益分岐点売上高や安全余裕率を計算する問題。
解説:
 原価計算分野の定番論点で、売上・費用構造から利益の損益分岐点を求める問題は頻出です。固定費と変動費を把握してCVP図表を描き、損益分岐点売上高や目標利益達成に必要な売上高を計算する設問が多く見られます。基本公式を使いこなし、利益計画に応用できることが要求されます。

【財務諸表分析(経営指標の計算)】
代表的な問題:
 貸借対照表・損益計算書の数値からROI・ROEなど主要な経営指標を算出し企業の状況を評価する問題。

解説:
 財務諸表データから企業の収益性・安全性を評価する経営指標の計算問題は頻出です。自己資本利益率(ROE)や総資産利益率(ROA)、流動比率や負債比率などを計算し、その大小等を問う問題が見られます。基礎的な計算力と指標の意味する内容の理解が重要で、二次試験の事例Ⅳと関連性が高いです。

【投資意思決定(NPV・IRR法)】
代表的な問題:
 投資プロジェクトのキャッシュフローから正味現在価値(NPV)や内部収益率(IRR)を算出し、投資採択可否を判断する問題。

解説:
 ファイナンス分野の頻出論点で、設備投資の採算性評価手法が繰り返し問われています。将来キャッシュフローの割引現在価値を合計するNPVや、それをゼロにする割引率IRRを計算させ、投資案の優劣や採択基準(NPV≧0なら採用など)を問う問題が典型です。資金の時間価値の理解と計算精度がポイントです。

【資本コストと資本構成(WACC・MM理論)】
代表的な問題:
 資本構成の変化が加重平均資本コスト(WACC)に及ぼす影響や、MM理論(資本構成と企業価値の関係)に関する問題。

解説:
 企業の資金調達に関する論点も頻出です。自己資本と他人資本の構成比率に応じたWACCの計算や、資本構成と企業価値に関するMM理論の理解を問う問題が見られます。負債比率変更によるWACCの増減や、法人税考慮下でのMM理論の命題に関する設問が繰り返し出題されており、財務構造が企業に与える影響を理解していることが重要です。

【キャッシュフロー計算と資金管理】
代表的な問題:
 営業活動によるキャッシュフローの計算問題やフリー・キャッシュフローの算定と活用に関する問題。

解説:
 資金繰りやキャッシュフロー計算書に関する問題も複数回見られます。直接法・間接法による営業CFの算出、フリーキャッシュフロー(FCF)の計算、さらには資金計画や余剰資金の運用に関する知識を問う設問が出題されます。企業の現金創出力や資金管理手法を理解し、計算できることが要求されます。

3.企業経営理論の頻出論点

第3章では、企業経営理論の概要と、頻出論点について解説します。

3-1. 企業経営理論の概要(ざっくり)

企業の戦略の方向性を決定する「戦略」、事業拡大のための「マーケティング」、組織の在り方や人財活用の「組織・人事」の3本柱から構成される科目です。

企業の利潤の最大化等の目的のために、リソースを最適化するコンサルティングを学びます。用語暗記+ケースへの当てはめで一次・二次の橋渡しとなる科目長文読解の慣れが得点に安定に繋がります。

3-2. 企業経営理論 頻出論点一覧

【競争戦略論(ポーターの分析)】
代表的な問題:
 自社の競争優位性に関する分析(コストリーダーシップか差別化か)や、業界構造分析(5フォース分析)の設問。
解説:
 企業戦略分野で頻出の論点です。ポーターの競争戦略(基本戦略)や5フォース分析など、競争環境下での自社戦略に関する問題が繰り返し出題されています。業界構造の要因分析や自社の戦略タイプを正しく理解し、適用できることが求められます。

【マーケティング戦略(STP・4P)】
代表的な問題:
 自社製品の市場セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングや、製品・価格・販路・プロモーション戦略に関する設問。
解説:
 マーケティング分野の基本論点で、複数年度にわたり出題されています。市場機会を分析してセグメント化し標的市場を定めるSTPや、マーケティングミックス(4P)の各戦略(製品開発、価格設定、チャネル戦略、プロモーション戦術)について正誤を問う問題が典型です。実務的な事例に当てはめて考える応用力も必要とされます。

【製品ライフサイクル(PLC)】
代表的な問題:
 製品ライフサイクルの各ステージ(導入期・成長期・成熟期・衰退期)における市場特性や戦略対応を問う問題。
解説:
 製品や事業のライフサイクル概念も頻出です。各段階で売上や利益の推移、市場競争状況がどう変化するか、それに応じ企業が取るべき戦略(例えば成長期には市場拡大投資、成熟期には差別化維持など)を問う設問が見られます。類似問題が複数年度で出ており、ライフサイクルごとの戦略の特徴を覚えておくことが重要です。

【動機づけ理論(マズロー・ハーズバーグ)】
代表的な問題:
 マズローの欲求段階説やハーズバーグの二要因理論など、従業員のモチベーション要因に関する記述の正誤問題。
解説:
 組織行動論の定番テーマで、人材マネジメント領域から繰り返し出題されています。マズローの欲求5段階説やハーズバーグの動機づけ衛生理論などは特に頻出で、従業員の欲求や満足度に関する理解を問う問題が毎年のように登場します。理論ごとのキーワードを押さえ、実務上の示唆と合わせて理解することが求められます。

【リーダーシップ理論】
代表的な問題:
 PM理論・コンティンジェンシー理論など、状況に応じたリーダーシップスタイルやマネジメント手法に関する設問。
解説:
 組織論の分野で、リーダーシップに関するテーマも頻繁に扱われます。PM理論やフィードラーのコンティンジェンシー理論、ブレイク=ムートンのマネジリアルグリッドなど、リーダーシップの類型や有効性を問う問題が複数年度で見られます。組織の状況や部下の成熟度に応じたリーダーシップの在り方を理解し、各理論の特徴を整理しておくことが重要です。

4.運営管理の頻出論点

第4章では、運営管理の概要と、頻出論点について解説します。

4-1. 運営管理の概要(ざっくり)

製造業・小売業が行う生産・販売を最適に行い、生産性を高めるオペレーションの改善策・施策を学習するのが運営管理(オペレーション・マネジメント)です。

生産管理は、「工場のレイアウト」や「生産計画」などのオペレーションといった、工場寄りの内容について学習します。
販売管理は、「店舗のレイアウト」や「仕入・発注方法」など小売寄りの内容を方法を学習します。

計算問題は比較的素直なので、慣れれば確実な得点源になります。

4-2. 運営管理 頻出論点一覧

【在庫管理手法(EOQ・ABC分析)】
代表的な問題:
 経済的発注量(EOQ)の計算や在庫分類管理(ABC分析)に関する問題。
解説:
 生産管理分野で定番の論点です。需要予測に基づくEOQモデルを使った最適発注量の算出や、安全在庫を含めた在庫水準の計算問題が頻出です。また、在庫を重要度でランク付けするABC分析について問う設問も見られます。在庫コストの概念を含めて押さえておく必要があります。

【品質管理(QCと管理図)】
代表的な問題:
 管理図を用いた工程の品質安定性評価や、抜取検査(OC曲線)に関する問題。
解説:
 品質管理では統計的手法を用いる問題が頻繁に出題されます。工程能力を監視するためのX̄管理図やR管理図の読み取り、ロット検査における抜取検査曲線に関する理解を問う設問が典型です。QC七つ道具や新QC七つ道具といった品質改善手法の知識も問われ、製造現場での品質保証の基本を理解していることが求められます。

【日程計画(PERT/CPM)】
代表的な問題:
 アローダイアグラムを用いたプロジェクト日程計画上のクリティカルパスや最短所要日数を求める計算問題。
解説:
 プロジェクト管理手法として、アローダイアグラム上でクリティカルパスを特定し所要時間を計算する問題が複数年にわたり出題されています。各作業の所要日数と前後関係から全体の最短完工時間を算出したり、クリティカルパス上の工程を問う設問が典型です。

【生産レイアウトとラインバランシング】
代表的な問題:
 工場レイアウトの類型(製品別・工程別配置など)やライン生産方式での作業割当・ラインバランス効率に関する問題。
解説:
 工場や生産ラインの設計に関する論点も頻出です。製品レイアウトとプロセスレイアウトの特徴比較や、ライン生産でのボトルネック工程の特定、タクトタイムに基づくラインバランシング(各作業ステーションへのタスク割当とライン効率計算)に関する設問が見られます。効率的な設備配置や作業配置の知識を用いて、生産性向上策を論理的に導けることが求められています。

【店舗運営とマーチャンダイジング】
代表的な問題:
 小売店舗のレイアウト戦略(ショッピング導線や陳列配置)や、カテゴリー別の売上分析・在庫回転率などMD戦略に関する問題。
解説:
 店舗・販売管理分野では、小売業の売場作りや商品計画に関する問題が繰り返し出題されています。売場レイアウト設計や棚割りといったマーチャンダイジングの基本売上高や在庫高に基づく商品カテゴリ別の分析指標(在庫回転率、交叉比率など)を計算・評価する設問が典型です。店舗運営の実務指標とその改善策を理解していることが重要です。

5.経営法務の頻出論点

第5章では、経営法務の概要と、頻出論点について解説します。

5-1. 経営法務の概要(ざっくり)

コンサルティングを行うと、会社経営についての一定の法律知識が必要です。専門的な分野は弁護士につなぐとしても、全く知識がないと、企業を予期せぬトラブルに巻き込む可能性があります。

当科目の範囲は、「会社法」や「民法」、「知的財産権」が中心の暗記科目です。
細かい数字・期間・要件が多く、カード暗記が有効。ここを固めると一安定科目になりやすいです。

5-2. 経営法務 頻出論点一覧

【会社法(機関設計と手続)】
代表的な問題:
 株式会社の機関(取締役・株主総会など)の権限や設置要件、増資・減資や組織再編の手続きに関する正誤問題。
解説:
 会社法は毎年安定して出題される分野で、株式会社の機関設計(取締役会や監査役等の設置要件)や機関の権限、株主総会の特別決議事項などが頻出です。また資本政策としての新株発行や減資、合併・会社分割といった組織再編の法的手続きも繰り返し問われています。基本的な条文知識の正確さと適用力が求められます。

【知的財産権法(特許・商標等)】
代表的な問題:
 特許権の存続期間や商標登録要件、不正競争防止法上の営業秘密要件など知的財産に関する知識問題。
解説:
 知的財産権は毎年最多の出題数を占める重要論点です。特許法・実用新案法の権利期間や要件、意匠法・商標法の登録要件、不正競争防止法による営業秘密保護など、多岐にわたる知識が問われます。条文の細部(例えば特許権存続期間=出願から20年)まで正確に理解しておく必要があります。

【民法(債権法・契約法)】
代表的な問題:
 債権の消滅時効期間や連帯債務・保証契約の効力、契約不適合(旧瑕疵担保)の法律効果に関する問題。
解説:
 民法からも基本問題が繰り返し出題されます。改正債権法を踏まえ、債権の時効や保証契約の形式要件、契約不適合責任(旧瑕疵担保責任)の買主救済策などが問われています。民法は範囲が広いものの頻出テーマは限られており、過去問で問われた典型論点(時効期間や契約解除要件など)を中心に学習することが得点につながります。

【独占禁止法】
代表的な問題:
 私的独占や不当な取引制限(カルテル)に該当する行為類型や、公正取引委員会の権限に関する正誤問題。
解説:
 独禁法に関する知識も頻出です。カルテルや入札談合など不当な取引制限の要件、優越的地位の濫用など不公正な取引方法の具体例、公正取引委員会による排除措置命令や課徴金減免制度の内容などが問われます。独禁法は条文ベースの知識問題が多く、基本概念(市場支配力、共同ボイコット等)を正しく理解しているかが試験で試されています。

【倒産法制(破産・再生)】
代表的な問題:
 破産手続開始の要件や効果、民事再生手続における再生計画の議決要件など倒産手続に関する問題。
解説:
 倒産法も会社法と関連して頻出します。破産手続開始の原因事実や、破産管財人の権限、再生手続における債権者集会での議決要件など、破産法・民事再生法の基本的な仕組みが問われます。中小企業の事業再生が注目される中、企業の倒産・再建に関する法律知識を押さえておくことが重要です。

6.経営情報システム

第6章では、経営情報システムの概要と、頻出論点について解説します。

6-1. 経営情報システムの概要(ざっくり)

コンピュータシステムの構造や仕組みを理解する「情報通信技術に関する基礎的知識」と、システムを運用・管理する「経営情報管理」から構成されています。

「情報通信技術に関する基礎的知識」は、ハードウェアやネットワークなどのかなり専門度の高い知識の理解が求められます。
「経営情報管理」は、情報通信技術と経営を結びつけた、管理・運用手法を学習します。

もはや情報通信技術を活用した経営は当たり前になり、AI活用が活発化してきている中、避けては通れない分野です。略語とカタカナが多く、暗記+イメージの両方が必要です。

6-2. 経営情報システム 頻出論点一覧

【ネットワーク技術(OSI参照モデル)】
代表的な問題:
 OSI基本参照モデルの各層の役割や、LAN・WANにおけるプロトコルの適切な適用に関する問題。
解説:
 情報通信の基礎として、ネットワーク階層モデルやプロトコルに関する問題は頻出です。OSI参照モデル7層それぞれの機能説明やTCP/IPモデルとの対応、LANとWANの違い、主要プロトコル(HTTP、TCP、IP、Ethernet等)の役割を問う設問が繰り返し見られます。通信技術の基本用語を正確に理解していることが求められます。

【データベースとSQL】
代表的な問題:
 関係データベースの正規化に関する記述、SQL文を用いたデータ抽出・集合演算の結果を問う問題。
解説:
 業務システムの基盤であるデータベースも毎年のように出題されています。特にリレーショナルデータベースの正規化(第1~第3正規形の特徴)や、SQLクエリの結果を推論する問題が典型です。テーブルの結合や集合演算(UNIONやINTERSECTなど)の結果を選ばせる設問もあり、データ操作言語の理解と論理的思考力が試されます。

【システム開発手法(要件定義・設計)】
代表的な問題:
 システム開発プロジェクトの要件定義プロセスや外部設計・内部設計の内容、アジャイル開発の特徴に関する問題。
解説:
 システム開発プロセスに関する問題も頻出です。ウォーターフォール型開発における要件定義→基本設計→詳細設計の各工程の成果物や目的、アジャイル開発手法(スクラムなど)の特徴を問う問題が複数年度に登場しています。開発モデルや手法ごとのメリット・デメリットを理解し、要件定義の重要性やユーザとのコミュニケーション事項など実践的な知識も問われます。

【情報セキュリティ】
代表的な問題:
 暗号化方式(共通鍵・公開鍵)の仕組みやSSL/TLSなどセキュリティプロトコル、情報セキュリティ管理基準に関する設問。
解説:
 セキュリティは毎年必ずと言っていいほど問われる重要分野です。暗号技術(AESやRSAの特徴、ハッシュ関数)やネットワークセキュリティ(SSL/TLSの仕組み)、さらに企業の情報セキュリティ管理策(ISO27001やアクセス権管理)についての知識が繰り返し出題されています。技術面と管理面の双方から基礎を固め、最新動向も押さえておく必要があります。

【IT最新動向(AI・IoT・ガイドライン)】
代表的な問題:
 AI(人工知能)やIoT、ビッグデータ活用など新技術の概要や、経産省・IPAの発行する最新ガイドラインの内容に関する問題。
解説:
 情報システム科目では時事的な最新技術のトピックも頻出です。近年はAIや機械学習の基本概念、IoTの利活用事例、ビッグデータの分析手法だけでなく、経済産業省やIPAによる各種ガイドライン(例:サイバーセキュリティ経営ガイドラインなど)の内容も出題されています。毎年新しいテーマが追加される傾向があるため、過去問で頻出の技術に加え直近のトレンドも把握しておくことが重要です。

7.中小企業経営・中小企業政策の頻出論点

第7章では、中小企業経営・中小企業政策の概要と、頻出論点について解説します。

7-1. 中小企業経営・中小企業政策の概要(ざっくり)

中小企業経営は、中小企業白書ベース(グラフ・統計)
中小企業政策は、施策ガイドブックベース(定義・制度・補助金)

白書は毎年中身が変わるので、最新年度対応のテキストが必須です。

7-2. 中小企業経営・中小企業政策 頻出論点一覧

【中小企業白書の動向】
代表的な問題:
 中小企業白書に掲載された中小企業の業況や課題に関する統計データやグラフの読み取り問題。
解説:
 中小企業経営分野では、その年の中小企業白書からの出題が多数を占めます。実際、令和3年度試験では同年版白書から多数の設問が出題されました。売上高や設備投資動向、人手不足など、中小企業を取り巻く最新の経営環境データや分析結果を正しく読み取れるかが問われます。毎年白書の重要ポイント(図表やキーワード)をチェックしておくことが合格の鍵です。

【中小企業の定義(中小企業基本法)】
代表的な問題:
 中小企業基本法における中小企業者の定義(資本金や従業員数の基準)や小規模企業の定義に関する問題。
解説:
 中小企業政策の基本として中小企業の定義は頻繁に問われます。製造業・卸売業・サービス業それぞれの中小企業者該当基準(資本金○億円以下・従業員○人以下など)や、小規模企業の定義が典型です。過去問でも何度も出題されており、暗記すべき数値ですが、国の施策対象を理解する上で重要な前提知識となっています。

【経営革新計画】
代表的な問題:
 中小企業等経営強化法に基づく経営革新計画の承認要件(新事業活動の定義や数値目標)の問題。
解説:
 中小企業政策で頻出の施策テーマです。経営革新計画は新事業活動による経営向上を図る中小企業の計画を知事等が承認する制度であり、その承認要件や支援措置が繰り返し問われています。売上高や付加価値額の向上目標といった数値目標や、新事業分野の定義(新商品の開発等)を正確に理解していることが重要です。

【ものづくり補助金】
代表的な問題:
 「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の対象経費や補助率、応募要件の問題。
解説:
 中小企業向け代表的補助金制度であり、過去問でも度々取り上げられています。通称ものづくり補助金は設備投資など中小企業の生産性向上を支援するもので、補助対象となる経費項目や補助率・上限額、申請要件(事業計画策定や付加価値額◯%向上など)についての知識が問われます。政策動向に応じて細部が更新されるため、最新の公募要領のポイントも押さえておく必要があります。

【事業承継支援】
代表的な問題:
 中小企業における事業承継の課題と施策(事業承継税制の概要や事業承継計画策定支援など)に関する問題。
解説:
 中小企業経営の重要テーマである事業承継も繰り返し問われています。後継者不在による廃業リスクへの対策として、事業承継税制(相続税・贈与税の納税猶予制度)の適用要件や、中小企業庁・各都道府県による事業承継支援策(事業承継ネットワークや承継計画策定の補助)に関する設問が典型です。高齢化が進む中小企業の実情を背景に、最新の施策内容を含め理解しておく必要があります。

8.さいごに

いかがでしたでしょうか。7科目の概要と、頻出論点について記載をしました。

計算系と暗記系を科目別に並べると図の通りになるかと思います。
【図:計算系と暗記系の分類】
 計算系 ←─────────────────────→ 暗記系
  財務 経済 運営 企業経営理論 法務 情報 中小企業政策

私は計算系が得意だったので、財務・経済・運営と得点科目にしました。
皆さんも自身の得点科目を決めて勉強に取り組んでみてください。

最後に、このページ(記事)の活かし方を簡単にまとめます。

1.まずは一覧を“チェックリスト”として使う
 各科目の頻出論点リストを眺めながら、「ここは分かる」「名前だけ知っている」「何それ…」
の3段階で色分けや印付けをしてみてください。

2.“何それ…”ゾーンから優先的に潰す
 理解があやしい論点は、真っ先に学習対象にします。
 テキスト・講義動画・ネット記事など、使えるものは何でも使ってOKです。

3.同じ論点が別の科目で出てくることも意識する
 例:
 ・財務のROE・ROA ⇔ 企業経営理論の株主価値
 ・情報システムのDX ⇔ 中小企業白書のデジタル化
 といった形で、論点がつながっていることに気付けると記憶が一気に強くなります。

4.完璧主義を捨てて、“合格水準”を目指す
 7科目すべてで満点を狙う必要はありません。
 限られた時間・体力・集中力の中で、どこにリソースを投下すれば合格に近づくかを考える。
 それ自体が、診断士としての「経営的なものの見方」のトレーニングにもなります。

               榎本雄介
               

中小企業診断士 Eno(登録番号:429629)

中小企業診断士です。金融機関で働きながら、独学で1次・2次共に1回、1年で2024年度に合格しました。
実務従事を経て、2025年8月より中小企業診断士として活動しています。
独学で1次・2次試験を突破するためのノウハウを発信しています。皆様のご参考になれば幸いです。

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