中小企業診断士試験に独学で一発合格したいと考えている方は多いでしょう。
私もその一人で、仕事をしながら限られた時間と費用の中で効率よく合格を目指しました。
そんな中、試行錯誤を重ねてたどり着いたのがひたすら問題を解きまくる勉強法です。
この勉強法を実践した結果、一次試験について、通常700時間以上の勉強時間を500時間程度に抑え、1年でストレート合格!
本記事は、この経験をもとづき、勉強スケジュール(計画)、モチベーション維持のコツ等を記載した、実践的独学ロードマップです。
1.勉強する時間帯と勉強計画
1-1.勉強する時間帯
ご存じの通り、勉強は時間帯も重要です。
記憶力、特に長期記憶の形成は午前中に最も高まり、夜間の睡眠によって記憶が整理・強化されます。私は、脳のゴールデンタイムと呼ばれている起床直後に新たに覚えることを、睡眠中に整理され長期記憶になりやすいと言われている就寝前に復習を必ず実施していました。
こうすることで、忘却曲線を意識して1日以内に2回問題を解くことができました。

忘却曲線は記憶は時間とともに急速に薄れていくという心理学的な法則です。グラフの通り、勉強後の1日後には記憶が忘却を大きく下回ることになります。
繰り返しになりますが、復習することで、記憶は定着化するので、1日以内の復習が大切です。
1-2.勉強スケジュール(計画)
1-2ー1.勉強スケジュール(計画)とテキスト
私の一次試験の勉強スケジュール(計画)は次の通りです。

私は、スケジュールで勉強し、各科目を合計5周しました。
・1月から3月の3カ月間:「みんながほしかった!中小企業診断士の問題集と教科書」を2週
・4月から7月の4カ月間:「過去問完全マスター」(過去問完全マスター製作委員会)を3週
4月から過去問を開始するのは、「まだ完璧に覚えてないから過去問は早い」と思う人が多いですが、それは誤りです。むしろ、わからないまま挑戦することで“分からないこと”の明確化が目的です。
1-2-2.大切なのは計画通りやり切ること
別の記事でも述べましたが、事前の計画が合否を左右すると言っても過言ではありません。
具体的には、勉強時間が無いから計画通り終わらなくても良いではなく、勉強時間内に浅くても良いから計画までやり切るということです。
中小企業診断士の試験は、出題範囲が広く、一巡するまでに挫折する人が多いかと思います。実際に、令和6年の試験の申込者数25,317人に対し、実際に1科目でも受験した受験者数は21,274人でした。つまり、約16%(4,043人)が受験を断念しています。申し込みをする前に断念している人もいらっしゃるのでそれ以上の人数になります。
途中で断念を避けるためには、まずは一巡して、全体像を把握することが重要です。一巡したことが自信につながる、ここまでやったのだから頑張ろう!とモチベーションアップします。
尚、各テキストの使用方法等は、第5章で詳しく述べます。
1-2-3.振り返ってやった方が良かったと感じていること
- 過去問対策
→7科目の過去問を一気通貫して、かつ、時間管理をして解いたことが無く、試験当日戸惑ったの
で、7月に入ったら並行して訓練。 - 模試
→”自分の実力・立ち位置””今年度のトピック”が分かるので余裕があれば受けるのがベター。
1-3.直前期の対応
- 苦手科目は「40点回避」を最優先。優先順位を決めて学習。
- 試験1週間前は新しいことをやらない。復習に徹する。
- 試験当日は「体力勝負」。前夜は早寝。
1-4.スケジュール管理のコツ
- 回転重視: 「1冊を完璧に」よりも「ざっとを3回転」させる方が効果的。
- 時間ブロック化: 平日1時間+休日3時間で安定ペースを維持。
- 学習ログを取る: Studyplusなどで可視化し、学習量を“見える化”するのも一つの手。
2.効率的な勉強方法とは
- 一次試験は暗記と問題への慣れ。ひたすら問題を解きまくる勉強法が正解だと考えます。
- これは、問題を解きながら覚える、インプット1:アウトプット9の勉強法
→間違ったらいやだ・・。等々の理由でアウトプットは敬遠されがち。ただ、解きながら覚えるので間違って当たり前なのです。また、インプットばかりしていても、正しく知識を活用できなければ、意味がありません。そういう意味でもアウトプットは重要です。 - アウトプットを繰り返し知識を血肉にしていくためには、復習のタイミングが重要です。
→忘却曲線の通り、記憶は、20分後には58%⇒1時間後には44%、1日後には33%程度になります。従って、少なくとも1日以内には誤った箇所は復習しましょう! - 特に社会人にとっては、「実務に直結しながら学べる資格」という点が魅力。
→予備校に通う時間がない人でも、独学なら通勤・昼休み・夜の1時間など、柔軟にスケジュールを組める。
3.独学で一発合格をつかむための心構え
3-1.完璧主義を捨てる
一次試験の範囲は膨大です。完璧を目指してもキリがありません。まずは「6割取れれば合格」という現実を理解しましょう。全科目で40点未満がなければ、総合60%以上で合格です。
“やらない勇気”を持ち、時間対効果を意識して取捨選択することがポイント。
3-2.80:20の法則を意識する
「成果の80%は、20%の重要論点から生まれる」。頻出分野・高配点科目(財務・運営・経営理論)を中心に攻めるのが鉄則です。
3-3.小さな達成感を積み重ねる
「今日はテキストを80ページ」「過去問1科目分を1回転」など、“1日単位の小目標”を設けてください。目標を“完了形”で書き出すと、達成感が得られ、やる気が維持しやすくなります。
3-4.隙間時間×ルーティン化の勉強術
- 通勤時間:スマホアプリで過去問演習
- 昼休み:前日間違えた問題の復習
- 夜:問題集で1科目集中(1時間)
Tips:
- 「朝型」にシフトする方が継続率が高い傾向。
- 勉強記録を周囲(SNS等)で発信するとモチベーション維持に◎。
4.教材選びの基本と3大教材の位置づけ
| 教材名 | 目的 | タイミング |
| ① みんなが欲しかった!教科書(上・下) | 理解重視のインプット | 学習初期〜中期 |
| ② みんなが欲しかった!問題集(上・下) | 問題演習による知識定着 | 学習中期〜直前期 |
| ③ 過去問完全マスター | 試験本番と同レベルの総仕上げ | 直前期〜試験直前 |
これら3冊を「教科書 → 問題集 → 過去問」の順に回すことで、「理解 → 定着 → 実戦力」が自然に身につく黄金サイクルになります。
5.教材別・完全活用マニュアル
「中小企業診断士の独学=教材選びと使い方で決まる」と言われるほど、教材運用は合否を分けるポイントです。
ここでは、独学合格者の多くが使用している TAC出版の「みんなが欲しかった!」シリーズと、
仕上げに最強の「過去問完全マスター」シリーズを徹底解説します。
5-1. 『みんなが欲しかった!中小企業診断士の教科書(上・下)/TAC出版』『みんなが欲しかった!中小企業診断士の問題集(上・下)/TAC出版』
5-1-1.テキスト一体型の「学習連動設計」
TAC出版の「みんなが欲しかった!」シリーズは、教科書と問題集が完全連動しています。
「教科書でインプット → 同じ単元を問題集でアウトプット」という流れが明確に構成されているため、学習の迷走を防げます。
- 教科書ページ対応番号が各設問に明示されている
- 重要論点は複数回出題され、自然と反復学習になる
- 選択肢の解説が丁寧で、誤答分析に最適
5-1-2.試験本番を想定した「難易度と分量」
1問あたりの負荷が適度で、1単元を30〜40分で回せるように設計されています。
初学者でも「今日やる範囲が明確」で、計画的に進められる点が独学に非常に向いています。
5-1-3.活用の流れ
【1周目】理解と整理のフェーズ(1月~2月)
まずは**「解けなくても気にしない」**ことが大切です。
1周目の目的は「問題を通じて論点の全体像をつかむ」こと。
手順:
- 1単元ごとに教科書を読む
- 1単元ごとに該当範囲の問題を解く(わからなくてもOK)
- 解説を読んで“納得”するまで確認
- 間違えた問題に★マークを付ける
ポイント:
- 問題の正誤より、「なぜそうなるのか」を理解する。
- 間違えた理由を一言メモ(例:「定義の混同」「数値処理忘れ」など)。
【2周目】理解と整理のフェーズ(2月~3月中旬)
ここからが「得点力養成」の本番。1周目で付けた★マークを中心に再挑戦します。
手順:
- 1単元ごとに教科書を読む
- 1単元ごとに該当範囲の問題を解く(特に★マークは100%理解)
- 苦手分野を抽出し、教科書該当箇所を再読
ポイント:
- 「スピードと正確性」を意識する。
- 間違いノートを作る(問題番号+誤答理由+正解要点)。
ミニテクニック:
問題集の右上に✔(理解済)・△(再確認)・×(苦手)マークを記録しておくと、3周目で迷いません。
【3周目】最終チェックのフェーズ(3月中旬~下旬)
この段階は次の『みんなが欲しかった!中小企業診断士の問題集(上・下)/TAC出版』を解く力を養うための最終ステップです。
手順:
- ★が多い分野の問題を再度解く
- 再度間違った問題は見切る(理解をあきらめる)ことも重要
最終調整法:
- 自分の得意、苦手を把握
- 苦手科目を朝・得意科目を夜に配置(集中力管理)
5-1-4.効果UPのポイント
- 章末要約を暗記カード化
→ 苦手を“スマホ撮影”で通勤中に確認。 - 苦手ページに付箋を立てる
→ 後半期に「重点復習リスト」として活用。 - 付録のミニテストは必ず解く!
→ 本試験の設問構造に近く、直前期の再確認に最適。
イメージ:
「スピード感よりも理解重視」。最初の1ヶ月は“読んで理解”⇒“分からなくても解く”で、慣れる時間を惜しまないのが合格者の共通点です。
5-2.『過去問完全マスター(過去問完全マスター製作委員会)』
5-2-1.出題テーマ別構成で「弱点分析」がしやすい
一般的な年度別過去問集と違い、『過去問完全マスター』は論点ごとに複数年の問題を集約しています。
たとえば「財務・会計」なら、次のような並び方です。
- CVP分析
- 投資の経済性計算
- キャッシュフロー分析
- 財務諸表分析
これにより、同じ論点を「年度を超えて」連続で解くことができます。
この構成が、短期間での弱点克服と頻出論点把握に最適なのです。
5-2-2.解説の質が高く「自学自習に最適」
単に答えが書かれているだけでなく、
- なぜその選択肢が誤りか
- 出題者の意図
- 本試験での引っかけ方
まで丁寧に説明されています。
また、各設問に「難易度」「頻出度」が明示されており、優先順位付けが容易。
独学者でも「やるべき問題」「後回しでよい問題」がすぐ分かります。
5-2-3.年度別学習にも対応
巻末に年度別インデックスがあるため、模試前の総復習にも使えます。
つまり、「テーマ別で理解 → 年度別で本番練習」という二段構えが可能です。
5-2-4.心構え:「満点ではなく、パターン把握を目指す」
合格に必要なのは“全部を覚えること”ではなく、“出題されるパターンを掴むこと”。
80%の論点は過去問の焼き直しです。
「出題者のクセ」を身体で覚える意識を持ちましょう。
5-2-5.活用の流れ
【1周目】「全体像」を掴むステップです。
『みんなが欲しかった!中小企業診断士の教科書(上・下)/TAC出版』『みんなが欲しかった!中小企業診断士の問題集(上・下)/TAC出版』の内容はほんの一部。
できない前提で、時間をかけず、とにかく1冊を通すことを最優先します。
手順:
- 各章(論点単位)を1時間以内で一気に解く
- 正解率は気にせず、選択肢をすべて読む
- 解説にマーカーを引く(頻出・初見・再確認)
ポイント:
- “理解できなかった選択肢”や”解けなかった問題”に★を付けておく
- 「用語・理論のズレ」を自覚することが目的
【2周目】「論点別再演習」。ここからが本格的な力をつけるステップです。
1周目でマークをつけた★問題を中心に、同テーマをまとめて解き直す。
手順:
- 1テーマごとにまとめて解き直す。1問当たりの時間を決める。
- 全年度を通して傾向を比較
- 出題頻度が高い設問に「◎」マークを付ける
分析のコツ:
- 出題形式が「定義」「計算」「応用」のどれに偏っているかを確認
- 3年連続で出ている論点は“ほぼ毎年狙われる”
【3周目】最終チェック。今まで間違えた問題をおさらいしましょう。
手順:
- 1周目と2周目、両方で間違えた問題を解く
- また間違えた場合は、見切るか判断する
- 1周目または2周目で間違えた問題をながらチェックする
分析法:
同じ間違いを再発させない「誤答ノート」を作成
何度も間違えたら“誤答パターン”を整理(暗記ミス/読解ミス/計算ミス)
6.一次試験の7科目別対策
★一次試験7科目の傾向、対策の詳細はこちら★
6-1.経済学・経済政策
- 狙われやすいテーマ: 需要供給曲線・GDP・財政政策
- おすすめ学習法: グラフ問題は「原因と結果」をノートに矢印で図解。
6-2.財務・会計
- 最重要科目(合格者の得点源)
- 勉強法: スピードより理解。1問1分で計算癖をつける。
- 教材連携:
- 教科書→問題集→過去問の順に「CVP分析」「NPV」「B/S・P/L構造」を重点。
6-3.企業経営理論
- 広く浅くの典型科目。
- 理論(経営戦略・組織論・マーケティング)ごとにノートを3分割し整理。
- 暗記より“因果関係”理解を重視。
→ 「市場細分化→ターゲティング→ポジショニング」の流れを自分で説明できるように。
6-4.運営管理
- 生産管理+店舗運営=2科目分のボリューム。頻出問題は確実に!
- 図解+暗記カードが必須。
→ JIT・IE・レイアウト設計などを図で覚える。 - 暗記効率UP術: 工程図をスマホ撮影して通勤で確認。
6-5.経営法務
- 得点差が付きやすい科目。
- 戦略: 判例や条文丸暗記ではなく「設問の意図」を読み取る練習。
- 例: 出題文に「代表取締役の責任」とあれば、会社法第349条へ直結。
6-6.経営情報システム
- IT知識+用語暗記が中心。
- 直前対策: 最新キーワード(DX、AI、ERP)を時事ニュースから補完。
- スマホ学習: フラッシュカードアプリ(Anki等)で効率的に暗記。
6-7.中小企業経営・政策
ポイント: 暗記より“方向性”重視。「増加傾向」「人材不足」などのトレンドを理解。
白書系科目。「中小企業白書」中の数字・傾向・政策キーワードをざっくり押さえる。
7.モチベーションを保つための実践メソッド
独学は「続ける力」が最大の壁です。
ここでは、私の周囲の合格者が使っていた具体的モチベ維持術を紹介します。
7-1.目標を「見える化」する
- スマホのロック画面に「合格通知の画像」「診断士バッジの写真」を設定。
- 手帳の1ページ目に「合格したらやりたいことリスト」を書く。
7-2.SNS・コミュニティ活用
- X(旧Twitter)で「#診断士勉強垢」をフォロー。
→ 同じ仲間の努力を見て自分を奮い立たせる。 - 「Studyplus」アプリで学習時間を可視化し、月ごとの成長を確認。
7-3.スランプ対策リストを事前に作る
| 状況 | 取る行動 |
| やる気が出ない | 勉強しない代わりに「合格者ブログを読む」 |
| 模試の結果が悪い | 1日だけ休んで“再起ノート”を書く |
| 疲労がピーク | 散歩・温泉・お気に入りカフェでリセット |
7ー4.ご褒美ルールの設定と合格後のリアルな想像
- 「1ヶ月連続で勉強したら新しい文房具を買う」
- 「問題集を完了したら週末に好きなラーメン」
→ 成功の喜びを“小さく頻繁に”感じるのが続けるコツ。 - 「診断士バッジを胸につけてクライアントに提案している自分」
「副業で講師をしている自分」
→ ビジュアルで思い描くと、疲れた夜でも「あと少し頑張ろう」と思える。
8.まとめ:独学でも一発合格は十分可能!
- 「教科書 → 問題集 → 過去問」の三段階回転が王道。
- 勉強を生活の一部に習慣化する。
- モチベは“合格後の自分”を思い描いて維持。
- 独学でも、工夫と継続で合格できる!
中小企業診断士試験は「努力の方向性」を間違えなければ、独学でも十分に合格可能です。あなたの”日々の積み重ね”が、来年の合格通知につながります。焦らず、諦めず、そして楽しみながら。
合格への道を一歩ずつ進んでいきましょう!


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