【中小企業診断士】2025年度 事例Ⅲ 再現答案|思考プロセスと解答構築ステップ

2025年度 中小企業診断士二次試験 事例Ⅰの再現答案と思考プロセスを示すアイキャッチ画像。品詞・工程・技能・新事業の重要テーマ。 (最新年度)事例別予測
2025年度 中小企業診断士二次試験「事例Ⅲ」の再現答案と思考プロセスを整理した記事のアイキャッチです。テーマは「品詞・工程・技能・新事業」。

こんにちは。
この記事では 2025年度(令和7年度)中小企業診断士 二次試験「事例Ⅲ」
実際の出題内容に基づいた 「再現答案+思考プロセス」 を整理します。

1.出題の全体構造

2025年度の事例Ⅲは、以下の4要素が明確な軸になっていました。

  • 品質バラツキの顕在化
  • 多品種化と工程管理の混乱
  • ベテラン依存と技能承継の遅れ
  • 食品・医療向けという高付加価値分野への挑戦

これは、いわば 「事例Ⅲの黄金セット」 であり、
今年は与件の構成も設問の流れも非常に素直でした。

すなわち年度テーマは、

「工程と品質を再構築しつつ、高付加価値市場へ踏み出せるか?」

でした。

2.出題構成の整理

2025年度の事例Ⅲは、
現状把握 → コストダウン施策 → 工程管理改善 → 新事業の品質保証体制
という一貫した“教科書どおりの流れ”でした。

設問主なテーマ試験委員の狙い
第1問強み・弱みC社の内部環境を整理し、後続設問の前提をそろえられるか
第2問コストダウン課題と改善現場改善の論点(品質・段取り・在庫など)を把握できているか
第3問在庫を持たずに納期対応生産計画×段取り×原料手配のつながりを理解しているか
第4問新事業(食品・医療)の体制高品質市場に必要な“品質保証の型”を理解しているか

まさに、
“生産管理の基本をどれだけ答案に落とせるか”
を問う事例でした。

3.再現答案(実際の文字数制限ぎりぎりで作成)

【第1問】C社の強み・弱み(各60字)

強み(60字)

産業用から建築用まで多用途に対応する紙パイプ加工技術と、再生紙を活用した環境配慮型製品により顧客から高い信頼を得ている。

弱み(60字)

ベテラン依存で作業標準や教育が不十分なうえ、計画変更の紙メモ指示により品質バラツキや工程混乱、原料紙不足を招いている。

【第2問】コストダウンの課題と改善策(各60字)

課題①+改善策(60字)

接着剤塗布や巻取り方法の違いによる品質不良が課題。標準作業書と教育、検査記録と原因分析を徹底し、バラツキと不良を削減する。

課題②+改善策(60字)

計画変更や段取りのムダで残業と原料紙待ちが発生。週次計画の平準化、進捗確認、前倒し発注で待ち時間と残業を抑制する。

【第3問】在庫を持たず納期対応する工程管理(100字)

顧客の月次予定と週次確定情報を基に標準リードタイムを反映した週次・日次計画を作成する。仕様変更と特急は予備枠で吸収し、進捗と原料紙在庫を見える化して段取りと待ち時間を減らし、在庫を持たず納期を守る。

【第4問】食品・医療向け紙パイプ参入に向けた社内取り組み(120字)

厚さ・強度・寸法など品質要求を整理し規格と許容差を明確化する。原料紙と接着剤の受入検査、製造条件と検査結果の記録でトレーサビリティを確保する。標準作業書に基づく教育と資格認定、清掃と異物混入防止で衛生管理を強化する。

4.この答案のポイント!

今年の事例Ⅲは“素直に書けば得点が伸びる年”でした。
高得点を狙ううえで重要なのは次の3点です。

✔ ① 第1問 → 第4問まで一貫したストーリー

  • 第1問:弱み=品質バラツキ・工程混乱
  • 第2問:弱みの原因を除去する改善策
  • 第3問:在庫を持たない工程設計
  • 第4問:高品質市場に耐える品質保証

すべてを「品質 × 工程 × 技能」でつなげられれば、
答案の軸がブレず加点されやすい構造になります。

✔ ② 与件キーワードの厚め活用

  • 再生紙・循環型社会
  • 経験と勘・ベテラン依存
  • 仕様変更10%・特急受注
  • 厚さ・強度のバラツキ
  • 食品・医療・高品質要求

これらを“自然に”答案へ織り込むことが得点の鍵でした。

✔ ③ 「現状 → 原因 → 改善 → 効果」の型で書く

事例Ⅲは構造化すると点が伸びやすく、
特に第2問・第3問で**“原因を書くかどうか”**が差になります。

5.思考プロセス(点数が伸びる答案はこう考えて書いている)

ここからは、実際に答案を作る際に使った思考の流れをできる限り具体的にまとめています。

STEP1:設問文から“出題軸”を即座に拾う

事例Ⅲは以下の4象限で構成されるのが基本です。

  • 品質(Q)
  • 工程管理(D・S・計画)
  • 技能・教育(H)
  • 設備・高付加価値(高難度加工)

今年は、

「品質 × 工程 × 技能 × 新事業」

という、教科書そのままの王道構造でした。

STEP2:与件文の重要ワードを分類して整理

与件から拾ったキーワードを以下のように分類。

強み

  • 多用途対応できる紙パイプ技術
  • 再生紙活用による環境配慮
  • X社からの原料紙安定調達

弱み

  • ベテラン依存/経験と勘
  • 立ち上がりロスの大きさ
  • 仕様変更を紙メモ指示=混乱
  • 原料紙待ち時間・残業多い
  • 検査記録・分析が不十分

機会

  • 脱プラで紙加工製品への需要増
  • 食品・医療分野の高付加価値市場

脅威(潜在)

  • 輸送2024問題で出荷遅延リスク
  • 多品種化による段取り負荷

これらを
「どの設問に使うか」 の棚卸しを最初に行います。

STEP3:事例Ⅲ専用テンプレートに当てはめる

事例Ⅲは次の“黄金フォーマット”でほぼ全問対応できます。

  1. 現状(問題)
  2. 原因(なぜ?)
  3. 改善策(何をどう?)
  4. 効果(品質・コスト・納期)

これを60字・100字・120字に圧縮するだけです。

STEP4:抽象 → 具体 → 効果 の三段構成

たとえば第3問はこう構築しています。

  • 抽象:標準LTに基づく計画管理にする
  • 具体:週次・日次計画/予備枠/見える化
  • 効果:在庫ゼロで納期遵守

この「三段ロケット」が、
“読みやすく・ズレない答案” を作ります。

STEP5:設問間の一貫性を確保する

第1問の弱み → 第2問で改善 → 第3問で工程設計 → 第4問で品質保証強化

という“一本道構造”を意識すると、
答案の説得力と加点ポイントがガラリと変わります。

これが「事例Ⅲで差がつく本質」です。

6.まとめ

2025年度の事例Ⅲは、「素直に書けば得点が伸び、踏み込めば差がつく」 事例でした。

特に差がついたポイントは次の3つです。

  • 第2問で 原因 → 改善 → 効果 を60字に収めたか
  • 第3問で 在庫ゼロ前提の工程設計 を書けたか
  • 第4問で 食品・医療向けらしい品質保証体制 を書けたか

この記事の再現答案とプロセスが、来年の対策の指針になれば幸いです。

               榎本雄介
               

中小企業診断士 Eno(登録番号:429629)

中小企業診断士です。金融機関で働きながら、独学で1次・2次共に1回、1年で2024年度に合格しました。
実務従事を経て、2025年8月より中小企業診断士として活動しています。
独学で1次・2次試験を突破するためのノウハウを発信しています。皆様のご参考になれば幸いです。

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